黒岩常祥の「ミトコンドリアはどこからきたか」を読んでいると、葉緑体が行う光定位運動に関する記述がある。葉緑体は光が弱いと細胞内のどの細胞内小器官よりも細胞表層に近くなるように移動運動をする。また、光が強いと自身が方向転換をし、最も効率よく光合成をするように位置を変えるそうだ。1999年にはわが国で定位運動の研究により、葉緑体はアクチンケーブルを使い、ミオシンの手助けで運動していることが突き止められているそうだ。
色素体を持った真核植物は基本的に光があれば独立栄養であり、動く必要がない。色素体の持つ機能は植物細胞の生存に必須ということがあきらかになってきているらしい。